大きな銃を持った警官数人がズカズカとバスに乗り込んで来ては、乗客の顔をライトで照らしながら不審者がいないかチェックしていく。怪しいと思われた可哀想な人は、ボディーチェックもされていた。僕らは顔も違うし、何か言われるかと思ったが、特に何もなかった。
それだけ警官が頻繁に来るので、安心といえば安心だったが、逆にそうまでしないと危ない道中なのか…と考えると、少しビビッた。
バスの席は相変わらず狭かった。おまけに途中から太め、いゃ、太いオジサンが隣の席に座ってしまったので、ほとんど寝られなかった(>.<)
さてさて、9時にようやくコルカタに到着!
すると、バスで出会った軍人さんが
「これから、どうするのか?」
というので、我々は明日からの列車の旅の情報を集めるために駅に行きたい旨を伝えると、
「それなら、一緒に付いて来なさい。君達だけだと、確実にふっかけられるからね。」
と言って、タクシーを手配してくれた。
軍人さんは、コルカタから電車でさらにムンバイ(ボンベイ)に向かうとのことだった。Howrah駅に着くと、軍人さんは「悪い人も多いから、バッグから絶対に目を離さないこと、そしてスリに注意すること。」とアドバイスをくれ、何かあったら、ここに連絡しなさいと僕のメモ帳に名前を書いて、去って行った(本当は、この時名前の後ろに“Army”と書いてくれたのを見て、初めて軍人であることがわかった)。実にかっこいい人だった。
僕らは最初に、背中の大きなザックを置いておくため、Howrah駅に隣接するYukuホテルにチェックインすることにした。ところが、チェックインするには列車の切符がないとダメだというので、ザックを持ったままチケット売り場に行くことになった…

←これが、その様子である
人、多っ!
しかもねぇ、後ろの人が密着してくる(苦笑)
どうも横入りする人がいるからみたいだが、そんなに接近しなくても大丈夫ですから!
この列に並んで延々と待ち、途中、職員のお昼休憩で30分待たされ(おぃおぃ…)、ようやく次の目的地、ガヤ(Gaya)までの切符を手に入れた。
チケットを手にして、先程のYukuホテルにチェックインし(感じの悪いフロントのオヤジだった…)、シャワーを浴びて気分一新。午後は、カズと共にコルカタの中心へと繰り出した。
コルカタは、ガイドブックには衛生的によろしくないし、生活臭の濃い街と書いてあるが、少なくとも僕が受けた印象はその真逆だった。
街全体がウ○コ臭のジャイガオンからやって来たせいもあったかもしれないが、コルカタは整然としていて、とてもキレイ。植民地時代、首都だったせいか所々に洋風の建物もあり、例えばHowrah駅はなかなか立派であった(下写真)。

さらに、“Oxford”という書店は、日本の大きな書店と同じくらいの規模と清潔感。地下鉄は日本並みで、しかも安い。“Barista”という喫茶店は、インド版スターバックスーAmexでお金をおろしてリッチな気分だったので、思わず60 Rsもするアイス入りコーヒーを注文してしまった(日本円にするとたった150円なので破格だが、レストランで50 Rsも出せば十分食べられることを考えると高い)。

「世界のバックパッカーが一堂に会する」といわれる安宿街、サダルストリートも、犯罪のニオイは特になく、客引きも大人しかったので、その点まったく迫力がなかった。
サダルストリートにあった、いびつな日本語の看板。他にも怪しい日本語は多数あり。(右写真)
というわけで、予想外に好印象だったコルカタには、もっと長く滞在して色々な所を見てみたかったが、残り一週間ほどになった旅の日程上、先に進まざるをえなかった。
だが同時に、翌朝からの鉄道旅行の始まりに期待を膨らませながら、床に就いた。