> ホストファミリー(07.10.8)
 UW研修の一ヶ月間は、各人がホームステイをしていた。ホストファミリーによってホームステイも様々だが、幸運なことにボクは非常に恵まれたホストファミリーと出会うことができた。

 ボクのホストファミリーは、フィリピン人だった。ベンとエーマ、それから娘夫婦や兄弟などたくさんの親戚達。一ヶ月の滞在中、計14人の親戚に会った。エーマの作るご飯を食べに、あるいは仕事の間キッズを預けに、とにかくこの家には毎日のように誰かがやって来る。そして、みんなが家族のようだ。
 一度、シアトル郊外のアウトレットに連れて行ってもらったのだが、一緒に行ったのがベン達の娘グレイス(これはフツー)、はとこ(?)、はとこのキッズ二人(??、でも可愛い)、はとこの別れたダンナ(???)だった。みんなチョ〜いい人達だったが、奇妙なメンツだった。
(左)ホストマザー(エーマ)、ホストファーザー(ベン)と。
(右)Hiro(メンバーの一人)のホストファミリーと一緒にバーベキュー!

 家に行って、まず初めに驚いたのは、玄関で靴を脱ぐこと。室内でも靴を履きっぱなしの生活になることを見越してスリッパを持参していたが、その必要もなく快適に過ごせた。次にビックリしたのは、家が大きいこと。リビングにある60インチの液晶テレビ(SONYのWEGA)もさることながら、ボクの部屋にはダブルベッド、クローゼット、それに専用のバスルームまで…。インターネットもWiFiで自由につなぐことができ、その設定はマイクロソフトに勤める娘婿が全部やってくれた。(ボクはMac Userなのに…)
(左)リビングルーム。奥にはワイン専用の小さなキッチンが! 
(右)マイルーム。ボクがいた部屋の他に、もう一室使われていない部屋があった。

 エーマの作る御飯も最高だった。フィリピン人ということで、アジアン・フードが中心で、chow mein(焼きそば)やフォー(ベトナムの米麺)など色々な麺類を食べることができた。また港町シアトル特産のサーモンやイカ、クラブ(蟹ミソがうまかった〜)もたくさん食べさせてくれた。
 ただ最初のうちは量が半端じゃなかったので、それが唯一の問題だった。例えば、第一週目の金曜日に、近くに住んでいたHiroのホストファミリーを招待してバーベキューをやった時の話。
 バーベキューをやるということで、すごく楽しみにして家に帰ったら、エーマが

「今日はバーベキューをやるから、早く夕飯を食べなさい!

と言う。はぃ、わかりまし、イヤイヤ意味わからんし(゜_゜;)
 結局、ボクは夕飯を食べた後にバーベキューが始まった。しかも、そのバーベキューがこれまたスゴイ豪勢である。牛肉ステーキ、鶏肉、殻付きの牡蛎、フィリピンの餅(?)、大量のピザ、ビール…。次から次へと料理が出てきて、ボクとHiroはただただ顔を見合わせて苦笑いするばかりであった。
 こんな調子で一ヶ月過ごしたらヤバいなぁ…と思ったが、後半はお互いに慣れてきて、ちょうどいい量をおいしく食べることができるようになった。でもエーマに

「アチュローは、前にいたコリアンガールよりも食べる量が少ないよ!」

と言われてしまった(笑)コリアンガールどんだけ食うねん…

 家では、ボクとホストファミリーが話すときはもちろん英語だが、それ以外の時はフィリピン語(タガログ語)も飛び交った。だからボクはホストと一緒にいるときは、理解不能のフィリピン語を聞きつつ、それが英語に変わる瞬間を聞き逃さないように耳を傾けていなければならなかった。しかしフィリピン語には、日本語以上に英語が入り交じっている。だから「質問きたッ」と思って振り返ると、実はベンとエーマで話してるだけ、なんてこともしばしばあった。

 フィリピン語といえば、帰宅するといつもフィリピンの人気番組“WowWowWee”が放送されていた。
 WowWowWeeは、日本の“いいとも”と“ミリオネア”を足して割ったようなテレビ番組。月曜から土曜まで毎日(シアトルではサテライトで18時頃から20時まで)あって、一般人がクイズに参加してその場で現金をもらうというなかなかストレートな内容。司会の女の人は、フィリピン版黒木瞳と杉本彩って感じだった。でもって、クイズの間、ず〜っと後ろでフィリピンガールズが露出度75%でセクシーダンスをしている。ボクはこれを毎日、60過ぎのじいちゃん・ばあちゃんと一緒に見ていたわけである。若干気まずく、フィリピン語も全然わからないのだが、でもボクはこの番組が好きだった。特にセクシーダンスが☆じゃなくて、一般人のダンスコーナーが面白くて、ボクも密かに歌とダンスを覚えていた。今でも踊れるなー。

 そんなわけでボクは、優しくて、明るくて、楽しいホストファミリーと一ヶ月間過ごすことができた。日本料理の一つも作ってあげられなかったけど(エーマは何でもうまいから、作る必要もなかったかな…)、本当に感謝している。