>3/10 (Thur) 最後の晩餐
■ 行程Kokthurong(7:00)→ Phedang(12:00)→ Tsokha(14:00)

朝5時に、いつものように“Hello, tea〜!!”と言ってオヤジ(ポーター)がモーニングティーを持ってきた。連日の疲れや体調不良が重なってか、コメ(Andrew)がブチ切れていた。

「なんでこんなに早く起こすねん!今日は下るだけやん。景色なんていいから、近道しよ。」
↑関西弁なわけないが…

コメは登山経験がほとんどないので、山での生活が限界に達したみたいだった。このトレッキングは確かにスタッフもついて極楽だけど、山での生活には変わりないので、山に全く行ったことのない人にとってはキツかったと思う。
その後もコメは、
“I wanna go home.”
を連発していた。
「今日中に下山できないかなぁ」
とか無茶な発言もしていて、
「あんたのペースに合わせてるから、無理なんだよ(~,~)」
と思わず突っ込みそうになったが、思わず突っ込めるほどの英語力もなくて助かった(笑)

今日中に下山、は無理としてもトレッキングは明日で終わり。ゲーチャ・ラにも無事到達して、あとは元来た道を引き返すだけだった。この日は、初日にテント泊をしたツォッカ(Tsokha、3000 m)まで猛烈に下った。


カンチェンジュンガと共に、美しくそびえ立つパンディム(Pandim、6691 m)

ツォッカに着くと、トレッキング客がかなり増えていた。僕らが出発した頃は、まだ若干早かったが、10日間のうちにシーズンが到来したようだった。
初日にテント泊をした後は、全て小屋泊であったが、これだけ人が増えていたので、この日はテント泊を覚悟した。覚悟といっても、最後の夜だし、別に全然厭わなかった。

ところが!初日にちょっと文句を垂れたのが功を奏したのか、Tufan(ガイド)の交渉で、この日は小綺麗な山小屋に泊まることとなった!!そこまでしてもらわなくても…と思ったが、最後まで僕らに気を遣って努めてくれるスタッフ達がありがたかった。
コメもご機嫌になり、iPodで大音量の音楽を聞いて熱唱していた(笑)

さらに!!この日は山での最後の夜ということで、チョコボ(コック)が腕を揮って、力一杯の御馳走を用意してくれた。お食後に大きなケーキまで出てきて、本当に感激だった。
(左)最後の晩餐;chomein(チベット風焼きソバ)、fried rice(チャーハン)、チップス、スープ、ケーキ
(右)泊まった小屋でパーティーメンバーと集合写真。ドア後方にいるのは、メンバーではなく、その辺をうろついていた少年。ちゃっかりカメラ目線である。

楽しい夜を過ごしたが、これが最後かと思うと、Tufan(ガイド)、チョコボ(コック)、オヤジとバルコメ(ポーター)、ゾーメン(ヤク使い)との別れが惜しまれた。
彼らに感謝の意を示すため、カズと話し合い、僕は一人一人に手紙、画才のあるカズはみんなの絵(下写真)を渡すことにした。




>3/11 (Fri) トレッキング最終日
■ 行程 Tsokha(7:00)→ Yukusam(13:10)

快適な山小屋で熟睡できた。朝5:30にオヤジ(ポーター)が、モーニングティーを持って来てくれた。“Hello, tea〜!!”というお決まりのフレーズを聞けなくなると思うと、寂しくなった。
7時頃、ツォッカ(Tsokha)を出発した。途中、トレーニングのために登山しているというインド人の団体とすれ違ったが、僕が日本人だとわかると、そのうちの一人に
「もしもし、さよなーら」
と言われた。「もしもし」なんて意味のない単語教えたの誰だよ!

行きにも通った吊り橋のところ(3月4日写真)で昼食を食べ、単調な下り道をスタスタと歩いた。
13時前ヨクサム(Yukusam)の街が見えてきて、まもなくホテル(Hotel Dragon)に到着し、ついにトレッキングが終了した。ヨクサム出身のオヤジ・バルコメ(ポーター)とゾーメン(ヤク使い)は、別れを言う前に、いつの間にか我が家に戻ってしまっていた。
しかしシャワーを浴びた後ヨクサムの町をうろついていると、同じく着替えを済ませスッキリしたオヤジやバルコメらが町を歩いており、最後に話すことができた。

さて、夕方にチョコボ(コック)が「ちょっとついて来な。」と言うので、カズと僕はチョコボの後を追った。
すると、チョコボは知り合いらしき一軒の家に入って行った。よくわからなかったが、とりあえず僕らも上がり込むと、ヨクサムに来た日に出会ったかわいい子供達がいた!(3月3日写真)
子供達も、カメラを持った僕ら2人のことを覚えていたらしく、母親に熱心にその時の状況を説明しているようだった。

しばらく話をしていると、チベット家庭のお酒(チャン)が出てきた。そう、チョコボはお酒を飲みに連れて来てくれたのである。
チャンは円筒状の木製容器の中に穀物が入っていて、お湯を入れてしばし待つと泡が出てきて(発酵して)酒になる。日本酒に似た香りがするが、アルコール度数は低く、とても飲みやすかった。

どこから現れたか、バルコメも合流し、みんなで酒を飲んだ。バルコメは相当強いとみえて、ガブ飲みしていた(右写真)。因みに、彼は14歳である(笑)インドでは、酒に年齢制限がないらしい。

楽しい宴会のため、夕食の予定時間を大幅に過ぎてホテルに戻ったが、そこは“ネパーリー・タイム”(インディアン・タイムも然り)、何のお咎めもなく、カレーが出てきた。